和気(読み)カキ

デジタル大辞泉 「和気」の意味・読み・例文・類語

か‐き〔クワ‐〕【和気】

わき(和気)」に同じ。
「―香風うちに、臥榻がとうを据えて」〈二葉亭浮雲

わけ【和気】

姓氏の一。
[補説]「和気」姓の人物
和気清麻呂わけのきよまろ
和気広虫わけのひろむし

わ‐き【和気】

のどかな陽気。穏やかな気候。「和気山野に漂う」
なごやかな気分。「和気を帯びた口調」「和気靄然あいぜん

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精選版 日本国語大辞典 「和気」の意味・読み・例文・類語

わ‐き【和気】

〘名〙
① 気候や海、また、体の状態などがおだやかで安定していること。
吾妻鏡‐元暦元年(1184)四月二九日「来六月属海上和気期、可合戦之由被仰含云々」 〔郭璞‐春詩〕
② なごやかな気分。おだやかな気色
※玉塵抄(1563)三一「人の気のひえきって和気のないすごいあたたまりのないがあるぞ」 〔礼記‐祭義〕
③ 争い・混乱がおさまっておだやかになる様子
玉葉‐治承三年(1179)一一月一六日「昨日以法師静賢御使、両度被子細云々、其後頗事似和気

か‐き クヮ‥【和気】

〘名〙 むつまじくうちとけ、やわらぐこと。のどやかな気配わき。〔文明本節用集(室町中)〕
※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「又春の日に瓊葩(けいは)綉葉(しうえふ)の間、和気(クヮキ)香風の中に臥榻(ぐゎたふ)を据ゑて其上に臥(ね)そべり」

わけ【和気】

姓氏の一つ

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改訂新版 世界大百科事典 「和気」の意味・わかりやすい解説

和気[町] (わけ)

岡山県南東部,和気郡の町。2006年3月佐伯(さえき)町と旧和気町が合体して成立した。人口1万5362(2010)。

和気町西部の旧町。和気郡所属。人口3931(2005)。吉井川中流域に位置する。小盆地に開ける中心集落の佐伯は近世岡山藩の家老土倉氏の封地で,その陣屋が置かれ,吉井川水運の河港としても栄えた。河瀬付近の峡谷は高瀬舟航行の難所で,一文字と称する石堤が舟航安全のため築かれていた。米作主体の農業が主産業で,マツタケカンピョウコンニャクの特産がある。かつては製鉄が盛んで,町内各所にたたらの跡が残る。国道374号線が通じる。

和気町東部の旧町。和気郡所属。人口1万2249(2005)。中心集落の和気は,吉備高原を南流する吉井川と西流する金剛川が合流する付近に位置し,吉井川舟運の河港として,また山陽道の通過する渡河集落として栄え,金剛川対岸の尺所(しやくそ)(旧,本荘村)と双子町をなしていた。1891年金剛川沿いに山陽本線が開通して駅が本荘村に設けられたため,駅前集落が発達し,双子町はしだいに接続していった。JR山陽本線,国道374号線が通り,山陽自動車道インターチェンジがある。旧和気郡の行政・交通・教育の中心で,岡山市のベッドタウン化も進んでいる。また全国的規模をもつ牛市が開かれ,こいのぼりの特産もある。大田原はかつて和傘用和紙(日笠紙)の産地であった。和気清麻呂ゆかりの地で,清麻呂や姉の和気広虫などをまつる和気神社がある。
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普及版 字通 「和気」の読み・字形・画数・意味

【和気】わき

なごやかな気分。〔礼記、祭義〕孝子の深愛は必ず和氣り。和氣は必ずり。は必ず婉容り。

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