唐茶(読み)とうちゃ

精選版 日本国語大辞典 「唐茶」の意味・読み・例文・類語

とう‐ちゃ タウ‥【唐茶】

〘名〙
① 中国から渡来した茶。
※俳諧・其袋(1690)秋「江を汲て唐茶に月の湧夜哉」
ツバキ科の常緑低木チャ品種。まれに九州の山地に生え、栽植もされる。チャより全体に大形。葉は長さ一〇~一五センチメートル、幅約五センチメートルの広楕円形緑茶を製するが品質はチャに比べて劣るという。慣用漢名、皐蘆。にがちゃ。〔書言字考節用集(1717)〕
④ 酒をいう、僧侶仲間の隠語般若湯
洒落本・売花新駅(1777)自序「一名これを唐茶(トウチャ)といふ。くっと飲てはくっとゆき、ずっと酔てはすっと寝る」

から‐ちゃ【唐茶】

〘名〙 中国風にたてた茶。蓋(ふた)のある茶碗に茶を入れ、熱湯を注いで飲むもの。
※俳諧・投盃(1680)二「末の露大眉(たいひ)さきたち玉ひけり 唐茶の泡や月もはかなき」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「唐茶」の意味・読み・例文・類語

とう‐ちゃ〔タウ‐〕【唐茶】

変種。茶より大形の低木。葉は飲用になる。にがちゃ。
中国渡来の茶。
酒をいう僧侶仲間の隠語。
「―の御馳走になりまして、大酩酊いたしました」〈伎・富士額男女繁山〉

から‐ちゃ【唐茶】

中国式に飲む茶。ふたのある茶碗に茶の葉を入れ、熱湯を注いで飲む。
色の名。赤みがかった茶色

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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