唱門師・唱聞師(読み)しょうもんし

精選版 日本国語大辞典 「唱門師・唱聞師」の意味・読み・例文・類語

しょうもん‐し シャウモン‥【唱門師・唱聞師】

〘名〙 (「しょうもんじ」「しょうもじ」とも)
中世卜占本業とし、経読・曲舞なども生業とした芸能民。門付(かどづけ)の芸で諸国をわたり歩くところから、江戸時代には賤視の度を深めた。
② 元日の朝、寅の刻(午前四時頃)に、宮中日華門に参って、毘沙門経の文句を訓読して祝儀をした者。〔俳諧・滑稽雑談(1713)〕
③ 人家の門に立って金鼓を打ち、簓(ささら)をすって経文を唱え、物請いをした芸能者。声聞師。〔文明本節用集(室町中)〕
仮名草子浮世物語(1665頃)三「古き茶入の古は、〈略〉唱聞師(シャウモンジ)の賤しき奴原(やつばら)が手に持ち取り」

しょうも‐じ シャウモ‥【唱門師・唱聞師】

〘名〙 「しょうもんし(唱門師)②」の変化した語。
※俳諧・正章千句(1648)二「おとといは月もうすかりし星祭 いかにも耳のさときしゃうもじ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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