善管注意義務/忠実義務(読み)ぜんかんちゅういぎむ/ちゅうじつぎむ

ASCII.jpデジタル用語辞典 「善管注意義務/忠実義務」の解説

善管注意義務/忠実義務

取締役の会社に対する責任を示した商法上の規定。まず、善管注意義務とは、会社と委任関係にある取締役は良識ある管理者として注意深く職務にあたらなければならない、という規定(商法第254条三項)である。次に、忠実義務とは、取締役は法令・定款規定と株主総会会議を遵守し、会社のため忠実に責務を果たす義務がある、という規定(商法第254条の3)である。両者の関係については、色々な解釈がある。その中でも、忠実義務の規定は善管注意義務の規定を具体化したものであり、両者は本質的には同じ規定であるという学説が多い。さらに、このような一般的な義務規定だけでは、重大な地位に就いている取締役の権限濫用を防ぎきれないという危惧がなされている。そのため商法ではさらに、競業避止義務(商法第264条)、利益合反取引(商法第269条)によって、取締役の業務に関する特別な規定が存在している。

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