喉音（読み）コウオン

デジタル大辞泉

こう‐おん【喉音】

１ 国語学で、国語音のア・ヤ・ワの3行の音の総称。
２ ⇒声門音せいもんおん
３ 中国音韻学で、五音ごいんまたは七音の一。喉頭で調音される音で、影母・暁母・匣母・喩母の総称。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

こう‐おん【喉音】

〘名〙

① 悉曇(しったん)学でいう五類声の一つ。t・th・d・dh・n音の総称。喉声(こうしょう)。〔涅槃経悉曇章〕

② 古代の日本の韻学で、すべての音を、喉、舌、脣の三つに分けたその一つ。ふつうは、喉内、または単に喉という。

③ 中国音韻学の五音説もしくは七音説中の一音。ʔ（影母）、（暁母）、（匣母）、ｊ（喩母）を一括した呼称。〔韻鏡開奩（1627）〕 〔韻鏡〕

④ 中国音韻学から転じて、国語音のア、ヤ、ワ三行を呼ぶ称。

※字音仮字用格（1776）「先つ大御国の喉音に、あやわ三行の差別ある所以の原をよく明らめおきて」

⑤ 音声学で軟口蓋音をいう。すなわち、k、ɡ、、の類。

⑥ 音声学で、喉頭音をいう。すなわち、h音の類。

⑦ ドイツ語で、口蓋垂を震わせて出すｒの音。

※旅日記から（1920‐21）〈寺田寅彦〉一〇「ｒの喉音や語尾の自然な音韻が」

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【喉音】こうおん

口蓋の音。

字通「喉」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」