(読み)こん

精選版 日本国語大辞典 「喉」の意味・読み・例文・類語

こん【喉】

[1] 〘名〙 酒の肴(さかな)をいう女房詞
御湯殿上日記‐文明一四年(1482)二月一九日「御ゆつけ、こん一物なと三こんまいる」
[2] 〘接尾〙 魚を数えるのに用いる。
平治(1220頃か)下「一喉の魚を獄中になげ入れけるに」

こう【喉】

〘接尾〙 魚の数を数えるのに用いる。尾(び)。こ。こん。
※平治(1220頃か)下「一喉の魚を獄中になげ入れけるに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「喉」の意味・読み・例文・類語

のど【喉/咽/×吭】

《「のんど」の音変化》
口腔の奥の、食道気管に通じる部分咽喉いんこう。「御飯が―につかえる」「―まで出かかった言葉をのみこむ」
頸部けいぶ前面のどくび。「剣で―を突く」
歌う声。「自慢の―を聞かせる」
急所。大切な箇所。のどくび。「補給路の―を抑える」
書物の紙をとじてあるの方の部分。
[類語]咽頭喉頭咽喉喉元喉首

こん【喉】

[名]魚をいう女房詞
[接尾]助数詞。魚の数を数えるのに用いる。「一の魚」

こう【喉】[漢字項目]

常用漢字] [音]コウ(漢) [訓]のど
のど。のどぶえ。「喉舌喉頭咽喉いんこう

のみ‐と【喉/咽】

《「飲み」の意。「のみど」とも》のど。
赤海鯽魚たひの―を探れば、鉤有りき」〈・上〉

のん‐ど【喉/咽】

《「」の音変化》のど。
短剣にて自から―を刺串さしつらぬき」〈染崎延房・近世紀聞〉

こう【喉】

[接尾]助数詞。魚を数えるのに用いる。。「一の魚」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「喉」の意味・わかりやすい解説

喉 (のど)

俗にいうことばで,解剖学でははっきり定義することができない。一つは(くび)の前のところを指し,およそ喉頭に相当する場所をいう。声を出す声門はこの喉頭の中央部にある。子どもが過って吸いこんだ異物が詰まって窒息を起こすのも,ここである。喉頭の前面は盾のような甲状軟骨で守られ,手でこれに触れることができる。この軟骨の上端正中部は成人男子では大きく突出して〈のどぼとけ〉をなしている。〈アダムリンゴ〉ともいうが,これは禁断の木の実(リンゴ)を口にしたアダムが神からとがめられて驚いたため,果実の半分がのどにひっかかって膨れ上がったのだという説話に基づく。〈のど〉という言葉が指すもう一つの場所は,口を開いた場合に,口腔のつきあたりの場所をいい,解剖学では咽頭にあたる。〈のどに骨が刺さった〉というのはこの場所である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【咽喉】より

…咽喉頭ともいう。咽頭と喉頭を総称した名で,いわゆる〈のど〉といわれる部分。咽頭は鼻腔,口腔に連なる部分から,おおむね喉頭蓋のあるところまでを指し,喉頭は咽頭の下から気管までをいう。…

※「喉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android