喜多元規(読み)きたげんき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「喜多元規」の意味・わかりやすい解説

喜多元規
きたげんき

江戸時代前期,承応元禄期(1652~1704)頃に活躍した黄檗派を代表する画家黄檗僧(→黄檗宗)や檀越(だんおつ。施主)らの肖像画,他宗の僧の肖像画など数多くの作品を残した。『長崎先民伝』によれば,南蛮絵洋風画)にも長じていたとあるが,純粋な洋風画の遺作はなく,写実的描法による黄檗画像のなかに油彩技法の使用を部分的にみるのみである。主要作品に『隠元隆琦画像』(萬福寺),『即非如一画像』(同)などがある。

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百科事典マイペディア 「喜多元規」の意味・わかりやすい解説

喜多元規【きたげんき】

17世紀の長崎派画家。生涯に不明な点が多いが,黄檗(おうばく)宗の僧の肖像画を多く残し,その洋画的技法を加味した写実的描法はのちの長崎絵画に影響を与えた。代表作《木庵賛隠元像》。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「喜多元規」の解説

喜多元規 きた-げんき

?-? 江戸時代前期の画家。
薩摩(さつま)(鹿児島県)あるいは肥前長崎の人。鉄牛道機について黄檗(おうばく)宗をおさめ,喜多宗雲あるいは陳賢に画技をまなぶ。承応(じょうおう)-元禄(げんろく)(1652-1704)のころ長崎を中心に京都,江戸などで活動。黄檗宗の僧の肖像を陰影法をもちいて写実的にえがいた。通称長兵衛。作品に「隠元和尚像」。

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