嘉津宇岳(読み)かつうだけ

日本歴史地名大系 「嘉津宇岳」の解説

嘉津宇岳
かつうだけ

本部もとぶ半島の南部にそびえる標高四五二メートルの山。カチューダキともいう。山頂は名護市勝山かつやまに位置する。古生代二畳紀の石灰岩を主体に粘板岩やチャートを挟む中生代の本部層で構成される。山体は標高二〇〇メートル程度の丘陵地から四〇〇メートル付近まで急斜面をなし、狭い平坦面(緩斜面)を挟んで、その上にピラミッド状の山頂部を載せ、山頂部は熱帯性地形の円錐カルスト。「中山伝信録」に「佳楚嶽」とみえ、最も険しく、琉球の第一峰といわれると記され、大正期の地形図作製までは最高峰と考えられていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「嘉津宇岳」の意味・わかりやすい解説

嘉津宇岳 (かつうだけ)

沖縄県名護市と国頭(くにがみ)郡本部(もとぶ)町の境にある山。標高452m。沖縄島(本島本部半島にあり,本部山地を構成する主峰の一つで,地質は古生代の石灰岩からなる。ヒナカンアオイ,カツウダケエビネなど貴重な植物の自生地域として,天然保護区域に指定されている。中腹まで道路が整備されており,頂上からは沖縄島周辺の島々が眺望でき,訪れる人が多い。南麓には廃藩後に士族たちによって開拓された勝山集落がある。
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