嚢中の錐(読み)のうちゅうのきり

精選版 日本国語大辞典 「嚢中の錐」の意味・読み・例文・類語

のうちゅう【嚢中】 の 錐(きり)

(「史記‐平原君伝」の「夫賢士之処世也、譬若錐之処嚢中、其末立見」による) 才能のある人は、袋の中に入れた錐のように、たちまちその先が外に現われる。すぐれた人は、衆人の中にいてもすぐに才能を現わして目立つというたとえ。錐嚢(すいのう)。錐(きり)嚢中に処(お)るがごとし。
※今年竹(1919‐27)〈里見弴〉二夫婦「それからは所謂『嚢中の錐』で、見るまに出世し」

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デジタル大辞泉 「嚢中の錐」の意味・読み・例文・類語

嚢中のうちゅうきり

《「史記」平原君伝から。袋の中の錐はその先が袋の外につき出るところから》すぐれた人は多くの人の中にいてもその才能が自然に外に現れて目立つことのたとえ。錐の嚢中にるがごとし。
[類語]錐嚢中にるが如しふくろを通す瑠璃るり玻璃はりも照らせば光る

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ことわざを知る辞典 「嚢中の錐」の解説

嚢中の錐

袋の中に入れた錐の先が外に突き抜けて現れるように、才能のある人はかくれていても頭角を現す。すぐれた人物は、衆人の中にいても、その才能によって目立つことのたとえ。

[解説] 「史記―平原君伝」にあることばによる。

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