四方輿(読み)シホウゴシ

デジタル大辞泉 「四方輿」の意味・読み・例文・類語

しほう‐ごし〔シハウ‐〕【四方×輿】

手輿たごしの一。輿に屋形をつけ、四方を吹き放しのままですだれを垂らしたもの。上皇摂関大臣以下、公卿僧綱そうごうなどの遠出のときに用いた。僧の用いた輿の破風はふ雨眉あままゆ形、俗人のものはいおり形であった。よほうごし。

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精選版 日本国語大辞典 「四方輿」の意味・読み・例文・類語

しほう‐ごし シハウ‥【四方輿】

〘名〙 手輿一種。台の四方に柱を立てて屋根を載せ、四方を吹放しのままで簾を垂らしたもの。屋形の破風(はふ)は、用いる人によって作りが異なり、僧の用いた輿は雨眉(あままゆ)形、俗人の用いた輿は庵(いおり)形であった。また、林間山中などでは屋形をつけないで板輿にすることもある。上皇、摂関、大臣をはじめとして、公卿、僧綱(そうごう)などが、普通遠出をする時に用いた。よほうごし。
※延慶本平家(1309‐10)一本「既に御供養の日彼の大床の下の聖の許へ四方輿を迎へに遣はさる」

よほう‐ごし よハウ‥【四方輿】

〘名〙 四方を吹放しのままで簾を垂らした輿。しほうごし。〔類聚名物考(1780頃)〕

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