四面(読み)シメン

デジタル大辞泉 「四面」の意味・読み・例文・類語

し‐めん【四面】

四つの面。
まわり。周囲四方。「四面の敵を討つ」
平安・鎌倉時代母屋の四方にひさしをつけたもの。
「わが家に一間―の堂をなんてたる」〈今昔・二四・五〉
[類語]まわり四囲辺り周辺近辺四辺周囲近く付近界隈かいわい近傍一帯へんぐるり周縁周回外周四方八方見渡す限り

よ‐おもて【四面】

四つの面。周囲すべて。しめん。
「夜の御帳帷子かたびらを、―ながらあげて」〈鈴虫

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精選版 日本国語大辞典 「四面」の意味・読み・例文・類語

し‐めん【四面】

〘名〙
① 四方の面。四つの面。四方の側。
※観智院本三宝絵(984)中「後に身づから目をあけて家の中を見れば、四面の壁通て庭のうちあらはにみゆ」 〔史記‐循吏伝・孫叔敖〕
② まわり。周囲。めぐり。四方。
※凌雲集(814)神泉苑雨中眺矚応製〈藤原冬嗣〉「雨気三秋冷、涼風四面初」 〔礼記‐郷飲酒義〕
③ (「在庇四面」の意が省略されたもの) 平安・鎌倉時代に行なわれた建築平面の記法。母屋の四方に庇をつけたものをいう。
※広隆寺文書‐貞観一五年(873)広隆寺資財帳「一檜皮葺伍間講法画堂壱宇、有庇肆面」
④ 新聞などの第四の紙面

よ‐おもて【四面】

〘名〙 四つの面。四つの方面。周囲すべて。しめん。
※宇津保(970‐999頃)吹上上「金銀瑠璃車渠瑪瑙大殿を造り重ねて、よをもて巡りて、東の陣の外には春の山」

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普及版 字通 「四面」の読み・字形・画数・意味

【四面】しめん

四方。〔史記、留侯世家〕陽は此の固(かため)りと雖も、其の中小にして數百里にぎず、田地く、四面を受く。此れ武を用ふるの國に非ざるなり。

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