因果関係(法律)(読み)いんがかんけい

百科事典マイペディア 「因果関係(法律)」の意味・わかりやすい解説

因果関係(法律)【いんがかんけい】

一定の先行事実と一定の後行事実との間の必然的関係。すなわち,もし前者がなかったならば後者がなかったであろうという関係。法律上,これが問題になるのは民法損害賠償責任と刑法犯罪成立に関してである。民法では,原因と結果との間にいやしくも因果の関係があれば責任を生ずるとする条件説と,原因から通常生ずる結果の範囲だけ賠償すれば足り,特別の事情によって生じた損害は賠償する必要なしとする相当因果関係説とが対立するが,後者が判例通説である。刑法では,行為と結果との関係でもっぱら実質犯が問題となり,条件説,相当因果関係説,条件の中から重要な条件のみに限って原因とする原因説とがあり,学説は相当因果関係説が有力である。
→関連項目公害罪サリドマイド訴訟

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