図籍(読み)ずせき

精選版 日本国語大辞典 「図籍」の意味・読み・例文・類語

ず‐せき ヅ‥【図籍】

〘名〙
① 田図と田籍奈良平安時代に作成された田地の図と台帳。図帳。
※三代格‐一五・弘仁一一年(820)一二月二六日「宝亀四年、延暦五年四度図籍、皆為証験
② 版図と戸籍。土地と人民
※本朝続文粋(1142‐55頃)三・郷国士俗〈藤原資光〉「周礼収制、地官掌戸口之図籍」 〔戦国策‐秦策上・恵文君〕
絵図書物。また、絵図を描いた書籍。さし絵のある書籍。とせき。
随筆胆大小心録(1808)六八「絵は図籍がはじまりで、書典にかきとられぬ事は、図にしてそへて」
図書。書籍。とせき。
※浄瑠璃・日本武尊吾妻鑑(1720)二「九刕二嶋の国主城主、国ひこが取次にて我が国々の図せきを捧」

と‐せき【図籍】

〘名〙
地図と戸籍。ずせき。
② 絵図と書物。また、一般に書籍。図書。ずせき。〔広益熟字典(1874)〕

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デジタル大辞泉 「図籍」の意味・読み・例文・類語

と‐せき【図籍】

ずせき(図籍)

ず‐せき〔ヅ‐〕【図籍】

地図と戸籍。
絵図と書籍。
書籍。書物。

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普及版 字通 「図籍」の読み・字形・画数・意味

【図籍】とせき・ず(づ)せき

土地人口の原簿。〔子、栄辱法則・度量・刑辟・圖に循(したが)ひ、其の義を知らざるも、みて其の數を守り、愼みて敢て損せず。子相ひ傳へて、以て王を持(たす)く。~是れ官人百祿秩を取る以(ゆゑん)なり。

字通「図」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の図籍の言及

【田図】より

…6年に1度の班年ごとに作成されるのが原則で,班田に先だって作成された田籍とともに永久保存されるのが令の定めであった。田図・田籍をあわせて単に図籍ともいい,律令国家の土地制度の根本台帳であった。786年(延暦5)から791年のころ,天平14年(742),天平勝宝7歳(755),宝亀4年(773),延暦5年(786)を四証年とし,その年度の図籍をとくに重視する旨の格が出され,これ以後この4ヵ年の田図は〈四証図〉と呼ばれた。…

※「図籍」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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