固定資産売却損益(読み)こていしさんばいきゃくそんえき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「固定資産売却損益」の意味・わかりやすい解説

固定資産売却損益
こていしさんばいきゃくそんえき

固定資産は反復的使用を目的として保有される資産であるから,販売を目的として保有される棚卸資産と異なり通常売却されない。しかし保有されている工場設備や機械などの有形固定資産が陳腐化したなどの理由により,使用中途で処分される場合がある。この場合処分された有形固定資産の売却額からその帳簿価額 (取得価額から減価償却費の累積金額を控除した額) を控除した額が正の値をとるときは,それを固定資産売却益といい,負の値をとるときは固定資産売却損という。このような損益毎期発生するものではないので,商法や企業会計原則は損益計算にあたって特別損益の部で計算し,企業の正常な営業活動から発生した経常損益の計算に含めないよう,企業の業績を適正に表示するための規制を行なっている。

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世界大百科事典(旧版)内の固定資産売却損益の言及

【インカムゲイン・キャピタルゲイン】より

…この額は,処分価額から帳簿価額(簿価)および処分に要した諸費用等を差し引いたものである。資本利得(資本損失)ともいい,両者を合わせて固定資産売却損益という。なお,キャピタル・ゲインに対する課税については〈キャピタル・ゲイン課税〉の項をみられたい。…

※「固定資産売却損益」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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