国民党[南アフリカ共和国](読み)こくみんとう[みなみアフリカきょうわこく](英語表記)National Party

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

国民党[南アフリカ共和国]
こくみんとう[みなみアフリカきょうわこく]
National Party

アパルトヘイト人種隔離)政策を展開した南アフリカ共和国政党略称 NP。イギリスとの結びつきを基盤とするイギリス系白人(ブリトン)に対抗するため,1912年オランダ系白人(ボーア人)が結成。ダニエル・F.マランが党首を務めていた 1948年の選挙で初勝利を収め,以後アパルトヘイト政策を強めて 1994年まで政権の座を独占した。1960年国民党党首のヘンドリク・F.フルウールト首相はイギリスとの絆を切るため共和国移行の国民投票を実施して勝ち,1961年イギリス連邦を脱退した。1978年就任した P.W.ボータ首相は,1984年多数派の黒人を除き,白人,カラード,インド系人の人種別三院制を確立,また首相職を廃止して大統領に執行機能を与え,みずから大統領に就任した。1989年ボータの後を継いだ F.W.デクラークは大統領就任以来,改革を推進。1990年党員資格を全人種に開放したが,実際には人種別に政党が組織されていた。1991年全アパルトヘイト法を撤廃した。1994年初の全人種参加選挙が実施され,アフリカ民族会議 ANC圧勝ネルソンマンデラ大統領主導の大連立政権に参加するが,地方分権などをめぐり対立し,1996年連立政権から離脱した。1997年マルチナス・ファン・スカルクウェイクが党首に就任した。1998年新国民党と改称し再起をはかったが,翌 1999年の総選挙では惨敗した。その後参加した野党民主同盟からも 2001年に離脱,2005年解党した。

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