国民福祉指標(読み)こくみんふくししひょう(英語表記)national welfare indicators

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国民福祉指標」の意味・わかりやすい解説

国民福祉指標
こくみんふくししひょう
national welfare indicators

国民の福祉水準を表わす指標総称。さまざまなアプローチがあるが,大別すると次のように分類できる。 (1) 日本の内閣府やアメリカの国民経済研究所 National Bureau of Economic Research;NBERなどで行われているNNWのように国民所得勘定から出発して,それを福祉水準測定に適したものに修正しようという方向。 (2) 経済協力開発機構 OECD社会指標 social indicator作業で,どちらかといえば社会学的発想に根ざし,人間の関心を構成するいくつかの要素 (健康,教育,所得,環境など) を抽出し,その水準を表わすための社会指標体系を作成しようとするもので,さらに外延的拡大として意識調査による意識面からの福祉へのアプローチ,時間配分統計によるアプローチ,成果投入 output-input指標の作成などを含む。 (3) 国連による社会人口統計体系 SSDSで,そこでは人口統計と社会指標を核に分布統計や時間配分統計を外延とする体系が提案されており,それらは新国民経済計算体系 (新 SNA) で提示された経済勘定と接合されて全体的な経済社会統計システムを構成することが意図されている。

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