国語辞典(読み)コクゴジテン

デジタル大辞泉 「国語辞典」の意味・読み・例文・類語

こくご‐じてん【国語辞典】

日本語単語や句を集め、一定順序で並べて、それぞれ表記語義用法用例語源などを日本語で説明した書物

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精選版 日本国語大辞典 「国語辞典」の意味・読み・例文・類語

こくご‐じてん【国語辞典】

〘名〙
① 日本語を集めて一定の順序に並べ、その意味、用法、語源などを日本語で説明した書。用例を添えたり、関連する語を示したりするものもある。古語・現代語にわたり、専門語まで広く収めた大型のもの、現代語または古語どちらかを中心とした小型のものなどがあるが、時代別・作品別のものや特殊な語だけ集めたものを広く含めてもいう。国語辞書
※新式辞典(1912)〈芳賀矢一〉緒言「『言海』『言泉』『辞林』〈略〉等明治以後の国語辞典は相続いて刊行せられた」
② その国のことばを集めて、その意義などをその国のことばで説明した書。
[語誌](1)「国語辞典」という語を最初に辞書名として用いたのは、明治三七年刊の『国語辞典』(林幸行、修学堂)で、次いでは、同四二年刊の『新国語辞典』(内海弘蔵、宝文館)である。その後、大正四年には『ローマ字びき国語辞典』(上田万年、冨山房)や『大日本国語辞典』(上田万年・松井簡治、冨山房)が出て、辞書名に「国語辞典」を用いることが定着していったが、文章中では「国語辞書」の方が多用されている。
(2)「国語辞典」「国語辞書」が使われるようになる以前は、「日本辞典」または「日本辞書」が使われた。明治二四年刊の『言海』ははじめ「日本辞書」が冠せられており、同三二年刊の『ことばの泉』には「日本大辞典」と冠せられている。その他、辞書名に「日本辞典」を使ったものには明治一一年刊の『日本小辞典』(物集高見、吉川半七他)、同二九年刊の『日本大辞典』(大和田建樹博文館)があり、大正六年刊の『ABCびき日本辞典』(井上哲次郎ほか、三省堂)に及ぶ。また、「日本辞書」を使ったものには明治二六年刊の『日本大辞書』(山田美妙、日本大辞書発行所)、同二八年刊の『日本新辞書』(三田村熊之助、積善館)などがある。文章の中では、明治一一年刊の『日本小辞典』(物集高見)の例言に「余曩に泰西の字書に傚ひ日本辞典を著すに先づ用言より始めき」とあり、同二四年の『言海』(大槻文彦)の「ことばのうみのおくがき」に「八年二月二日、本省報告課〈略〉に転勤し、ここにはじめて、日本辞書編輯の命あり」とある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「国語辞典」の意味・わかりやすい解説

国語辞典
こくごじてん

その国の国語の語彙(ごい)を、必要に応じて集めて解釈した辞典。国語辞典を代表するのは大辞典で、50万語以上も集め、精密な解釈を行うので「完全な辞典」complete dictionaryといわれる。綴(つづ)り字の標目、発音、品詞、性、変化、語源を示す。解釈は年代による意義の変化に触れ、出典を明示する。また、現代用法、熟語・成句を加える。中・小辞典は用途に適切な語彙をとらえ、適当な解説を必要とする。わが国の近代的辞典は大槻文彦(おおつきふみひこ)編『言海(げんかい)』(1891)に始まった。

[彌吉光長]

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世界大百科事典(旧版)内の国語辞典の言及

【辞書】より

…また,(4)ローマ字から引くようにしたものは,対訳辞書ばかりでなく,国語辞書にもある。現代では一般に,漢字の字形から引くものを漢和辞典,仮名・ローマ字から日本語を引くものを国語辞典と呼んでいる。
[沿革]
 最も古く現れたのは,漢字を手がかりとして引く辞書で,これは輸入された中国の辞書を模倣することから始まり,また,そのさい音義(漢籍や仏書の注釈付要語集)や訓注(文中に語句の注釈を加えたもの)や,古訓点(漢文に付した古代の訓点)や先行の辞書などを参照することが多かった。…

※「国語辞典」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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