国際連合の主要機関の一つ。15の国連加盟国で構成,中国,フランス,旧ソ連(ロシア),イギリス,アメリカの5カ国が常任理事国として常時席を占め,10カ国は非常任理事国として,2年任期で総会において選挙によって選出される。安保理は,国際の平和と安全の維持について「主要な責任」を負っており,そのため,他にはみられない強い権限が与えられている。安保理が国連憲章第7章のもとで行う「決定」という形式の決議は,すべての国連加盟国を法的に拘束するので,加盟国には決定を守る義務がある。安保理がこのような決議をするためには,9理事国の賛成が必要であり,常任理事国が1カ国でも反対すれば,決議は成立しない。このような常任理事国の投票権は拒否権といわれる。かつての東西対立の時代には拒否権の行使がよくなされたが,社会主義圏の崩壊により状況は変化している。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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