国連海洋法会議(読み)コクレンカイヨウホウカイギ(英語表記)United Nations Conference on the Law of the Sea

デジタル大辞泉 「国連海洋法会議」の意味・読み・例文・類語

こくれん‐かいようほうかいぎ〔‐カイヤウハフクワイギ〕【国連海洋法会議】

国際慣習法として形成・適用されていた海洋法の法典化を目的として国連が開催した国際会議。1958年に第一次会議、1960年に第二次会議、1973~1982年に第三次会議が開催され、第一次会議でジュネーブ海洋法4条約、第三次会議で国連海洋法条約採択された。UNCLOSUnited Nations Conference on the Law of the Sea)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国連海洋法会議」の意味・わかりやすい解説

国連海洋法会議
こくれんかいようほうかいぎ
United Nations Conference on the Law of the Sea

国連主催の海洋法会議。3次にわたって開催され,海洋に関する国際慣習法の法典化を行なった。 1958年に開催された第1次海洋法会議では (1) 領海および接続水域に関する条約,(2) 公海に関する条約,(3) 漁業および公海の生物資源の保存に関する条約,(4) 大陸棚に関する条約の採択をみた。 1960年に開催された第2次海洋法会議は,特に領海の幅員を定めることを目的としたが,条約によりこれを制定することには成功しなかった。その後 1967年の国連総会海底平和利用決議の採択,海底平和利用委員会の設立,1968年国家の管轄権が及ばない海底および海床についての海底平和利用委員会の審議,1970年国連総会で「深海底を律する原則宣言」が採択された。第3次海洋法会議は 1973年より 11会期延べ 10年に及び開催された。主要な議題は,深海底の開発,領海,排他的経済水域国際海峡,大陸棚,海洋の科学調査,海洋環境の保全などで,1982年ジャマイカのモンテゴベイにおいて,国連海洋法条約および最終議定書が採択された。

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世界大百科事典(旧版)内の国連海洋法会議の言及

【海洋開発】より

… 1967年,マルタの国連大使パルドArvid Pardoが当時注目されはじめていた海底のマンガン団塊を指して,一部の先進国によってこの種の資源開発が独占されることを憂い,〈深海底とその資源はすべての人類にとって共有の遺産と考えるべきである〉旨の演説を国連で行い,70年にはこの主旨が国連の決議として採択されるに至った。これらを受けて海洋をめぐる国際法を見直す気運が生じ,73年には領海,大陸棚,経済水域,深海底資源などについて新しい海洋の秩序の樹立を目指して第3次の国連海洋法会議(UNCLOS,United Nations Conference on the Law of the Sea)が開かれ,長期にわたる討議が始まった。この間,各国において水産業ならびに海底石油・ガスの開発が活発に行われるようになり,国連の海洋法会議における討論を反映して自国の沿岸200カイリ水域における資源に対する管轄権を主張する気運が長じ,海洋法会議の結末をまたずして,それぞれ自国周辺沿岸200カイリの漁業専管水域設定の国内法を制定する国が相次いだ。…

【海洋法】より

…海洋全体に関して包括的に規律する国際法の一分野。最近の海洋利用は質量ともに目覚ましいものがあるが,それを反映して海洋法の規制する範囲も多岐に及んでいる。すなわち,(1)公海,領海,排他的経済水域などの水域で構成される海洋秩序,(2)海洋や海峡における航行や上空飛行の問題,(3)生物資源や鉱物資源などの開発の問題,これに関連して大陸棚や深海底などの新たな法制度,(4)海洋汚染,海洋環境保護の問題,(5)海洋の科学的調査,海洋技術の開発と移転の問題などである。…

※「国連海洋法会議」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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