国防婦人会(読み)こくぼうふじんかい

精選版 日本国語大辞典 「国防婦人会」の意味・読み・例文・類語

こくぼう‐ふじんかい コクバウフジンクヮイ【国防婦人会】

昭和七年(一九三二大阪で結成された軍国主義的婦人団体。同年末、大日本国防婦人会として全国組織発展。出征兵士の送迎傷病兵遺骨の出迎えなどを行なった。同一七年愛国婦人会大日本連合婦人会とともに大日本婦人会統合された。
※のんきな風景(1940)〈石田一松〉「愛国婦人会と、国防婦人会と云ふ二つの会が存在して」

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デジタル大辞泉 「国防婦人会」の意味・読み・例文・類語

こくぼう‐ふじんかい〔コクバウフジンクワイ〕【国防婦人会】

昭和7年(1932)大阪で結成された婦人団体。出征兵士の送迎など、戦争協力団体として活動。同17年愛国婦人会と合併して大日本婦人会となった。正式名称は大日本国防婦人会。

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改訂新版 世界大百科事典 「国防婦人会」の意味・わかりやすい解説

国防婦人会 (こくぼうふじんかい)

正称を大日本国防婦人会といい,満州事変後,銃後の固めを急ぐ軍部の指導でつくられた軍国主義的婦人団体。地方,農村から組織化が始まり,1932年10月に全国組織の発会式をあげた。会の幹部には陸海軍大臣など現役将官夫人が就任し,軍部の勢力背景として家庭婦人,労働婦人を急速に組織し,結成当時50万の会員は41年度には公称1000万に達した。その事業として,出征兵士の慰問や家族の援助などの軍事援護のほかに,〈日本婦徳〉の鼓吹を掲げ,一般女性の精神強化に尽力した。白いエプロン姿に象徴される本会は,十五年戦争下の国民生活の強力な統制機関となった。42年大日本婦人会に統合された。
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百科事典マイペディア 「国防婦人会」の意味・わかりやすい解説

国防婦人会【こくぼうふじんかい】

1932年設立の婦人団体。正式名称は大日本国防婦人会。軍の支持・指導下に組織を拡大,〈国防は台所から〉のスローガンを掲げ,出征者の送迎,傷痍(しょうい)軍人・遺家族の扶助などのほか,防空演習も行った。1942年大日本婦人会に統合。

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世界大百科事典(旧版)内の国防婦人会の言及

【愛国婦人会】より

…05年には会員数46万人に達した。第1次大戦後には種々の社会事業にも着手し,満州事変後は婦人報国運動を提唱したが,貴族主義的性格を不満とする軍部の指導で32年に設立された国防婦人会と対抗しつつ,戦時体制づくりに積極的に協力した。42年大日本婦人会に統合された。…

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