国際スズ協定(読み)こくさいスズきょうてい(英語表記)International Tin Agreement; ITA

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国際スズ協定」の意味・わかりやすい解説

国際スズ協定
こくさいスズきょうてい
International Tin Agreement; ITA

スズの輸出国と輸入国の需給を調整し,価格を安定させるための国際商品協定。 1956年に第1次協定が発効し,日本は輸入国として 61年に加盟。価格帯を設けてそれに見合った緩衝在庫操作を行なって,スズの市場価格の安定に努めている。 77年に発効した第5次協定からアメリカも参加し,またこの協定により緩衝在庫のための資金を消費国側が自発的に醵出することとなった。しかしスズ価格が継続的に下落し,85年 10月には資金的な行きづまりから緩衝在庫の運用は停止され,本協定の執行機関である国際スズ理事会は多額の負債をかかえることとなった。その後協定は結ばれず,国際スズ協定は解消した。

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世界大百科事典(旧版)内の国際スズ協定の言及

【国際商品協定】より

…砂糖(1954),スズ(1956),オリーブ油(1958),コーヒー(1963),ココア(1973),天然ゴム(1982),ジュート(1982),熱帯木材(1985)。国際商品協定の理想に近いといわれたのが国際スズ協定で,一定の安定価格帯を設定し,緩衝在庫をもってその価格帯内に価格を収める機能をもっていたが,緩衝在庫調整に失敗して財政的に破綻したため,1990年7月に終了した。砂糖,天然ゴムも同様の仕組みをもつが,価格の変動をコントロールするには至らず,スズにしても〈輸出国寄りで値上がり時に歯止めがかかりにくい〉という批判が輸入国には根強い。…

※「国際スズ協定」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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