園遊会(マンスフィールドの短編小説集)(読み)えんゆうかい(英語表記)The Garden Party and Other Stories

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

園遊会(マンスフィールドの短編小説集)
えんゆうかい
The Garden Party and Other Stories

イギリスの女流作家K・マンスフィールド短編小説集。1922年刊。表題の短編『園遊会』は、裕福な家庭の無垢(むく)の少女が、明るく楽しい園遊会の日に、初めて「死」と、貧しい人々の存在に直面する心理を巧みに描き出している。ほかにも、人間の孤独をテーマにした『ブリル女史』『見知らぬ者』、ニュージーランドの幼い日の思い出材料にした『湾の一日』など、マンスフィールドの円熟期の傑作15編を収めている。作者の繊細な感受性と、人生を見つめる澄みきった目が印象的である。

[小松原茂雄]

『崎山正毅・伊沢龍雄訳『幸福・園遊会』(岩波文庫)』『安藤一郎訳『マンスフィールド短編集』(新潮文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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