土地開発公社(読み)トチカイハツコウシャ

デジタル大辞泉 「土地開発公社」の意味・読み・例文・類語

とちかいはつ‐こうしゃ【土地開発公社】

自治体公共事業に必要とする土地取得造成管理などを行うために設立された特別法人資金金融機関からの借り入れによる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「土地開発公社」の意味・わかりやすい解説

土地開発公社
とちかいはつこうしゃ

自治体にかわって土地を先行取得する地方公社。「公有地の拡大の推進に関する法律」(昭和47年法律第66号)に基づき、地方自治体が全額出資して設立する。おもな業務は自治体の要請により、公共施設や道路建設などの公共事業用地、企業などの誘致のための土地を民間から買い上げ、管理し、処分することである。

 高度経済成長期の1960~1970年代に、住宅供給公社地方道路公社とともに全国各地に設立された。土地開発公社の数がもっとも多かった1999年(平成11)には、全国に1597団体あり、土地保有総額8兆2948億円、土地保有総面積3万2620ヘクタールに上っていた。しかし、2011年(平成23)時点では最盛期に比べ公社数にして3分の2、総額・総面積では2分の1以下にまで減少している。そして多くの公社はバブル期の巨額な投資による土地の含み損を抱え、債務超過に陥っている。2004年ごろから団体を整理する動きが目だっているが、自治体の財政難のため放置されたままのところが少なくない。国は、地方公社や第三セクターの団体の整理・再生にあてるため、地方財政法を改正し、2009~2013年度に限り、地方債の特例規定に基づいて第三セクター等改革推進債(三セク債)を創設した。経営が悪化した土地開発公社を抱える自治体は、三セク債を発行したうえで借金の返済と土地の処分を進め、団体の解散を進めている。

[編集部]

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