日本大百科全書(ニッポニカ) 「土師清二」の意味・わかりやすい解説
土師清二
はじせいじ
(1893―1977)
小説家。岡山県生まれ。本名赤松静太。高等小学校を中退、呉服屋や荒物問屋の丁稚(でっち)奉公を経て、新聞記者となり、『週刊朝日』の創刊に寄与した。1923年(大正12)『水野十郎左衛門』を同誌に連載。25年、大衆作家の親睦(しんぼく)団体「二十一日会」に参加、大衆文学の草創期のメンバーとして活躍、『大衆文芸』発刊とともにその同人となり、長谷川伸(はせがわしん)に親しんだ。伝奇時代長編『砂絵呪縛(すなえしばり)』(1927~37)が好評を博して流行作家の列に加わり、伝奇小説のほかに歴史小説を手がけ、その代表作に『風雪の人』(1957~58)がある。
[磯貝勝太郎]
『『土師清二代表作選集』全6巻(1953~54・同光社磯部書房)』▽『『砂絵呪縛』2冊(中公文庫)』