土蜘/土蜘蛛(演劇)(読み)つちぐも

百科事典マイペディア 「土蜘/土蜘蛛(演劇)」の意味・わかりやすい解説

土蜘/土蜘蛛(演劇)【つちぐも】

(1)能の曲名。五番目物。五流現行。《土蜘》とも《土蜘蛛》とも記す。僧に化けた土蜘蛛の精が,源頼光病床に現れるが,頼光に切りつけられて正体を現し,追いつめられて退治される。(2)長唄の曲名。2種ある。(イ)近松門左衛門作の浄瑠璃《関八州繋馬(かんはっしゅうつなぎうま)》の影響下に成立した常磐津節《蜘蛛の糸》(1765年初演)の改作。11世杵屋六左衛門(後の3世勘五郎)作曲。1862年初演。上中下3巻からなるが,上之巻《切禿(きりかむろ)》が有名。(ロ)歌舞伎舞踊曲。(1)に取材した松羽目物。河竹黙阿弥作,3世杵屋正次郎作曲。1881年,5世尾上菊五郎素踊として初演。新古演劇十種の一つ。《大土蜘》とも。
→関連項目尾上梅幸

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