圧縮性流体(読み)アッシュクセイリュウタイ

デジタル大辞泉 「圧縮性流体」の意味・読み・例文・類語

あっしゅくせい‐りゅうたい〔‐リウタイ〕【圧縮性流体】

流体力学流体運動を扱う際、圧力温度による密度変化が大きい流体のこと。音速と同程度かそれ以上の流速をもつ気体や、超音速衝撃波などは、圧縮性流体として扱う必要がある。一方、圧力や温度による密度の変化が無視できるほど小さい場合は、非圧縮性流体と見なすことができる。縮む流体。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「圧縮性流体」の意味・わかりやすい解説

圧縮性流体
あっしゅくせいりゅうたい
compressible fluid

流体の運動において,一般に圧力変化に伴って密度変化が現れるが,この密度変化を考慮した取扱いをする流体を圧縮性流体または縮む流体という。常温空気では流速が音速の 0.3倍 (マッハ 0.3) 程度をこえると圧縮性流体と考える場合が多い。 (→非圧縮性流体 )

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世界大百科事典(旧版)内の圧縮性流体の言及

【衝撃波】より

…超音速の気流中におかれた物体または逆に静止流体中を超音速で進行する物体では,遠くまで広がる定在波として衝撃波が見られる。 密度の可変な流体(縮む流体,圧縮性流体)中に生ずる圧力や密度の微小変化は,静止流体中を音波として伝わっていくが,振幅が有限になると,圧力の高い部分の伝搬速度が圧力の低い部分の伝搬速度より大きいので,圧力の高い部分が低い部分に追いついて波の急峻化が起こる。ただしそこでは粘性や熱伝導などの散逸が大きくなって急峻化が妨げられ,結局,追いつきによる非線形効果と散逸効果とがつりあった状態で急峻な波面が形成され,音速より速い速度で定常伝搬することになる。…

【流体】より

…高分子溶液などのようにニュートンの粘性法則からはずれる流体は非ニュートン流体という。また運動による密度変化が無視できる場合は縮まない流体(非圧縮性流体),密度変化を考えねばならない場合を縮む流体(圧縮性流体)という。なお,固体であっても時間のスケールを非常に長くとれば流体とみなすこともできる。…

※「圧縮性流体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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