在国衆(読み)ザイコクシュウ

デジタル大辞泉 「在国衆」の意味・読み・例文・類語

ざいこく‐しゅう【在国衆】

室町時代京都に参勤することなく、常にその領国に居住していた守護大名

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精選版 日本国語大辞典 「在国衆」の意味・読み・例文・類語

ざいこく‐しゅう【在国衆】

〘名〙 (「ざいこくしゅ」とも) 室町時代、京都に参勤しないで、分国あるいは所領にいることを認められた大名奉公衆鎌倉府においても、鎌倉に常駐しないで所領に居住する武士を称した。〔宗五大草紙(1528)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「在国衆」の意味・わかりやすい解説

在国衆 (ざいこくしゅう)

室町幕府下において,京都につめずに在国することを認められた大名や奉公衆のこと。《貞丈雑記》には〈在国衆と云は京都へ参勤する事なく常に国居住する大名の事也〉と解説している。《文安年中御番帳》には奉公衆(番方)のうちに在国衆を載せ,《永享年中御番帳》には文明12-13年(1480-81)ころの在国衆として斯波義良畠山義統京極政経の名をあげており,また《永禄六年諸役人付》には〈外様衆,大名在国衆(号国人)〉の交名(きようみよう)がみえるので,守護や奉公衆などのしかるべき武士のうちで在国することを認められた者が在国衆であり,国人とも呼ばれるようになったことがわかる。なお《鎌倉大草紙》には〈鎌倉在国衆〉の呼称がみえ,在京する守護に対して領国に居住する武士を〈在国之衆〉と呼んだ例もあるが,これらは前述の室町幕府制度の在国衆とは一応区別すべきであろう。
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