在理教(読み)ざいりきょう(英語表記)Zài lǐ jiào

改訂新版 世界大百科事典 「在理教」の意味・わかりやすい解説

在理教 (ざいりきょう)
Zài lǐ jiào

中国の民間秘密宗教。明末・清初の楊萊如山東省即墨県で創始したといわれ,また白蓮教支流とも称される。南海大師(観世音菩薩)を教祖とし,太上老君(老子),孔子をあわせまつり,仏教の法を奉じ,儒教の礼を習い,道教の行を修めるという三教一体を宗旨とする。飲酒とアヘン吸飲を厳しく禁じ,〈我に理在り〉の信念によって治療したので,19世紀末には全国に広まった。中華人民共和国成立後,弾圧された。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の在理教の言及

【秘密結社】より

…これは10世紀ころに始まり,時の政府から終始〈邪教〉として厳禁されていたが,元末(14世紀後半)に,紅巾の乱と呼ばれる大反乱を起こして元朝を崩壊に導き,さらに,明・清時代を通じて,厳しい弾圧を受けながらも,しぶとく存続し,清代中期,嘉慶年間(1796‐1820),長江(揚子江)中流域を中心とする山岳地帯で蜂起し,清朝支配体制を動揺させた(白蓮教の乱)。白蓮教の支派末流は,ごく近年まで根強く活動し,1900年の義和団運動のほか,在理教,黄天道など種々の名で華北一帯の民衆の間に信仰されていたが,その一つである一貫道は,現在も台湾で活発に布教している。 これらとは別に,清代には異民族支配に反抗して漢族の明王室を再興しようとする政治的秘密結社が早くから華南の地に興り,天地会,哥老会,三合会などと称され,辛亥(しんがい)革命(1911)の前後になると,孫文らの革命勢力とも呼応して軍事的な貢献があった。…

※「在理教」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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