地取(読み)じどり

精選版 日本国語大辞典 「地取」の意味・読み・例文・類語

じ‐どり ヂ‥【地取】

〘名〙
① 土地をくぎること。家などを建てる時、地面の区画をすること。地割り。
バレト写本(1591)「Igreija ノ ヲン jidorino(ジドリノ) ブンバカリニ キワヲ タテテ マンマント ツモリタリシ コト」
② 絵の下絵を描くこと。〔日葡辞書(1603‐04)〕
囲碁で、地を取ること、または、戦法が地を囲うことに主眼をおくこと。
相撲稽古。また、自分の属する部屋の土俵で、稽古のためにとる相撲。内取り。
※俳諧・枯尾花(1694)上「此牛を三歩にうれば月見して〈楚江〉 すまふの地取かねて名を付〈魚光〉」
⑤ 紙の造花。特に、葬儀に用いるもの。紙花。

じ‐ど・る ヂ‥【地取】

〘自ラ四〙 ある地域部分を占める。
※今年竹(1919‐27)〈里見弴〉小さな命「手の甲など、ところどころ暗紫色の隈が地取(ヂド)って」

じ‐とり ヂ‥【地取】

〘名〙 能楽狂言で、演者次第(しだい)をうたったあと、地謡が低い声でさらに同じ文句をうたい返すこと。また、そのうたい。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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