地域医療機能推進機構(読み)チイキイリョウキノウスイシンキコウ

デジタル大辞泉 「地域医療機能推進機構」の意味・読み・例文・類語

ちいきいりょうきのうすいしん‐きこう〔チヰキイレウキノウスイシン‐〕【地域医療機能推進機構】

社会保険病院厚生年金病院など年金福祉施設として設置・運営されてきた病院・老人介護保険施設・看護専門学校を経営する、厚生労働省所管の独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構RFO)を改組して平成26年(2014)4月発足JCHOジェイコー(Japan Community Health care Organization)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「地域医療機能推進機構」の意味・わかりやすい解説

地域医療機能推進機構
ちいきいりょうきのうすいしんきこう

社会保険病院、厚生年金病院および船員保険病院を運営する厚生労働省所管の独立行政法人。英語名はJapan Community Health care Organization、略称JCHO(ジェイコー)。独立行政法人地域医療機能推進機構法(平成17年法律第71号)に基づいて2014年(平成26)設立。本部は東京都港区高輪(たかなわ)で、ほかに北海道東北、関東、東海北陸、近畿中国四国、九州の五つの地区事務所がある。

 年金福祉施設等の譲渡廃止のために、厚生労働省所管の独立行政法人として2005年に設立された年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)は、2010年8月までに譲渡対象301施設421物件の譲渡を終えた。同機構はもともと時限の組織であり、その成立の日から起算して5年を経過した日に解散することになっていたが、一方で社会保険料を財源として設置された社会保険病院、厚生年金病院および船員保険病院の運営も行っていたため、2011年6月に根拠法の一部を改正して新たな独立行政法人に改組し、これら57の病院群をJCHOが引き継いだ。

 JCHOは、(1)救急医療、災害医療、僻地(へきち)医療、周産期医療、小児医療の5事業と、癌(がん)、脳卒中急性心筋梗塞(こうそく)、糖尿病精神疾患の5疾病のリハビリテーションや必要とされる医療と介護を提供すること、地域医療における医療連携、チーム医療の推進などを行う診療事業、(2)臨床研究の推進、治験・市販後調査、診療事業・介護事業などで得られたデータの調査・研究などを行う研究事業、(3)看護師や地域医療・地域包括ケアを担う人材の育成や地域の医療・介護従事者や地域住民に対する教育活動などを行う教育研修事業を行っている。これらの事業のために、全国に57の病院、12の訪問看護ステーション、32の訪問看護実施施設、26の介護老人保健施設、10の地域包括支援センター、3の健康増進ホーム、7校の看護専門学校を有する。2014年4月時点での職員数は約2万8000人。

[編集部]

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