坂上老(読み)さかのうえの おい

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「坂上老」の解説

坂上老 さかのうえの-おい

?-699 飛鳥(あすか)時代の武人
壬申(じんしん)の乱で,大伴吹負(おおともの-ふけい)による飛鳥古京掌握の吉報を不破宮(ふわのみや)にいた大海人(おおあまの)皇子(天武天皇)につたえた。文武天皇3年5月死去。直広壱(じきこういち)の位を追贈された。名は「おゆ」「おきな」ともよむ。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の坂上老の言及

【坂上氏】より

…ただしその結合はゆるく,枝氏族相互は対等で,宗家とよぶべきものはなかったと考えられている。坂上氏はそうした枝氏族の一つであるが,壬申の乱(672)に坂上老(おきな)が武功をたてて以後しばらくは頭角をあらわす者がなかったが,孫の犬養(いぬかい)が聖武天皇に武芸の才を愛されて正四位上にのぼり,その子苅田麻呂(かりたまろ)が764年(天平宝字8)の恵美押勝の乱に武将としての功あって大忌寸(おおいみき)の姓を授けられ,道鏡追放にも功あって785年(延暦4)従三位となり,またみずから上表して同族10氏を宿禰(すくね)姓に改めることに成功すると,坂上氏は東漢氏の宗家の観を呈するようになった。その子が蝦夷征討に活躍した田村麻呂(たむらまろ)で,征夷大将軍となり,武功により従三位にのぼり,さらに正三位大納言となる。…

※「坂上老」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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