垂る(読み)タル

デジタル大辞泉 「垂る」の意味・読み・例文・類語

た・る【垂る】

[動ラ四]
物の末端下方へさがる。たれさがる。
「あさましう高うのびらかに、先の方少し―・りて」〈末摘花
したたる。流れおちる。
「父の命はたくづのの白ひげの上ゆ涙―・り嘆きのたばく」〈・四四〇八〉
[動ラ下二]たれる」の文語形
[補説]中世初期に「垂らす」が用いられるようになり、他動詞としては下二段の「垂る」と併用されるようになった。その影響自動詞のほうにも変化が生じ、自動詞の四段「垂る」はしだいに用いられなくなった。現代では自動詞としては「垂れる」、他動詞としては「垂れる」と「垂らす」がある。

し‐だ・る【垂る】

[動ラ四]長くたれ下がる。しだれる。
「限りなく宿のさかえむしるしにや君が御垣に―・る小柳」〈重家集〉
[動ラ下二]しだれる」の文語形。

しず・る〔しづる〕【垂る】

[動ラ下二]木の枝などに積もった雪が滑り落ちる。
「朝まだき松の上葉の雪は見む日影さし来ば―・れもぞする」〈丹後守為忠百首〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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