垣代(読み)カイシロ

デジタル大辞泉 「垣代」の意味・読み・例文・類語

かい‐しろ【垣代】

《「かきしろ」の音変化》
垣の代わりとして用いる幕。とばりを隔てとして用いるときの呼び名。
青海波せいがいは舞楽のとき、庭上垣根のように立ち並ぶ楽人の称。
「四十人の―、いひ知らず吹き立てたる物のども」〈紅葉賀

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精選版 日本国語大辞典 「垣代」の意味・読み・例文・類語

かい‐しろ【垣代】

〘名〙 (「かい」は「垣(かき)」の変化した語。垣の代わりの意)
① 帳(とばり)を、へだてとして用いる時の呼び名。
書紀(720)大化二年三月(北野本訓)「其の葬る時の帷帳(かたびらカイシロ)等には、白布を用ゐよ」
青海波(せいがいは)の舞楽の時、楽器を奏する人たちが楽屋の外に出て垣のように舞人をとり囲んで並ぶのをいう。笛を吹き拍子をとるなどするもの。左右近衛の官人あるいは院の北面、滝口、所の衆などを用いる。
源氏(1001‐14頃)紅葉賀「こだかき紅葉の蔭に、四十人のかいしろ、いひ知らず、吹き立てたる物のねども」

かき‐しろ【垣代】

〘名〙 垣の代わりとするもの。かこい。
草根集(1473頃)一一「春の田の苗の垣代いくし立て鳥驚かすしめのゆふしで」

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