埋没(読み)まいぼつ

精選版 日本国語大辞典 「埋没」の意味・読み・例文・類語

まい‐ぼつ【埋没】

〘名〙
① うずもれて見えなくなること。また、うずめかくすこと。比喩的に、ある状態にひたりきってそこから出ないでいること。
太平記(14C後)八「二三十町が間には、捨たる物具地に満て、馬蹄の塵に埋没す」
三四郎(1908)〈夏目漱石〉六「自己講義うちに全然埋没してゐる」 〔温庭筠‐過陳琳墓詩〕
② 世に知られないでいること。また、挙用しないままになること。
※丱余集(1409頃)下・答玄祚知客所問「非唯埋没自己。即翻屈辱先宗」 〔南史‐郭祖深伝〕

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デジタル大辞泉 「埋没」の意味・読み・例文・類語

まい‐ぼつ【埋没】

[名](スル)
うずもれて見えなくなること。「地すべり民家埋没する」
世の人に知られないこと。「野に埋没している逸材
没頭して他を顧みないこと。「研究埋没する」
[類語]埋める塞ぐまるうずまるもれるうずもれるうずめる埋め立てる埋め込むけるけ込む埋設埋蔵敷設

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普及版 字通 「埋没」の読み・字形・画数・意味

【埋没】まいぼつ

埋もれる。宋・欧陽脩氏(舜欽)文集の序〕斯の金玉なり。せられて糞土に埋沒するも、銷(せうしよく)すること能はず。~其の埋沒して未だ出でずと雖も、其の氣光怪、已に能く自ら發見(はつげん)して、物も亦た(おほ)ふこと能はざるなり。

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