城木屋(読み)シロキヤ

デジタル大辞泉 「城木屋」の意味・読み・例文・類語

しろきや【城木屋】

浄瑠璃恋娘昔八丈こいむすめむかしはちじょう」の四段目通称。また、それを移した新内節の通称。

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精選版 日本国語大辞典 「城木屋」の意味・読み・例文・類語

しろきや【城木屋】

[一] 浄瑠璃「恋娘昔八丈(こいむすめむかしはちじょう)」四段目の通称。城木屋へ帰されたお駒は、家運回復のため、持参金付の婿喜蔵を迎えることになったが、才三郎の危難を救うため喜蔵を殺し、番頭丈八の訴えで捕えられるという筋。
[二] 新内節「恋娘昔八丈」の一段髪結となった才三郎が、お駒の縁談を聞き、その薄情を責めるので、お駒が真実を語って泣きくどく部分

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改訂新版 世界大百科事典 「城木屋」の意味・わかりやすい解説

城木屋 (しろきや)

新内節の曲名義太夫節の一部をとって新内化した段物《恋娘昔八丈(こいむすめむかしはちじょう)》(通称《お駒才三(おこまさいざ)》)の一部。同名の義太夫節《恋娘昔八丈》が流行曲となったので,天保~嘉永(1830-54)のころ,2世鶴賀鶴吉の時代に,その四段目《城木屋》から脚色された。お家の宝詮議のため髪結となった才三が城木屋へ来ると,恋人お駒には,今夜,持参金つきの婿がくるという。才三がお駒を責めると〈お駒は顔を振り上げて〉以下のクドキとなる。義太夫節でも評判になった〈そりや聞こえぬぞえ才三さん〉がやはり有名。これに続く《鈴ヶ森》も,同じく義太夫節の五段目の《鈴ヶ森》を脚色。実は宝盗人であった婿を殺してしまったお駒が,江戸市中を引き回され鈴ヶ森に着いて覚悟をきめ,〈可愛い夫へ義理立てば〉以下のクドキとなる。義太夫節のお駒の命が助かるところはない。なお,のちに《婿入の段》《牢屋の段》も作られたが,今は語る人はいない。
恋娘昔八丈
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デジタル大辞泉プラス 「城木屋」の解説

城木屋

古典落語演目ひとつ。「東海道奉行タバコ入れ」を題にした三題ばなしとされる。「お駒丈八」とも。五代目古今亭志ん生が得意とした。オチは考えオチ。主な登場人物は、奉行、番頭。

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