堀の内(読み)ホリノウチ

デジタル大辞泉 「堀の内」の意味・読み・例文・類語

ほり‐の‐うち【堀の内】

中世領主家屋敷周囲手作りの田を所有し、そのまわりを堀で囲んだ地域。のちに、城下町うち、堀を周囲にめぐらした中の町をもいう。

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改訂新版 世界大百科事典 「堀の内」の意味・わかりやすい解説

堀の内 (ほりのうち)

落語。原話は,《軽口(かるくち)福徳利》(1752)所収の〈粗相(そそう)な年礼(ねんれい)〉ほか。そこつ者が,そこつをなおすために堀の内のお祖師(そし)様を信心することになるが,反対方向へ歩いたりしたあげくにやっとたどり着く。弁当にしようとすると,女房の腰巻で箱枕が包んであった。帰って女房を叱ったつもりが隣家で,謝るとわが家だった。子どもをつれて銭湯へ行き,よその子の着物をぬがせたり,他人を洗ったりと失敗したすえに,子どもの背中を洗いはじめたが,〈おそろしく大きな背中だなあ〉〈おとっつぁん,それは湯屋の羽目(はめ)だよ〉。
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百科事典マイペディア 「堀の内」の意味・わかりやすい解説

堀の内【ほりのうち】

三輪(みのわ),箕輪(みのわ)などと同じく,中世の堀に囲まれた武士屋敷地をさし,根小屋集落の関東地方呼称一つ。のちに地名化したものが多く,日蓮宗妙法寺の門前町として発達した東京都杉並区の堀ノ内は有名。

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デジタル大辞泉プラス 「堀の内」の解説

堀の内

古典落語の演目のひとつ。「あわてもの」とも。上方では「いらちの愛宕詣り」もしくは「愛宕詣り」と題する。

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世界大百科事典(旧版)内の堀の内の言及

【土居】より

…また,全国に建設された国分寺,国分尼寺のうち,遠江や陸奥国分寺では寺地境界に土塁を築いていたことが知られている。中世においては土居の外側に(濠)をうがつことが多く,その内側を〈堀の内〉とも呼んだ。 土居のなかで最も大規模なものとして,1591年(天正19)に豊臣秀吉が京都の周囲にめぐらした〈御土居(おどい)〉がある。…

※「堀の内」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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