塗炭(読み)トタン

デジタル大辞泉 「塗炭」の意味・読み・例文・類語

と‐たん【塗炭】

泥にまみれ火に焼かれること。転じて、ひどい苦痛。きわめて辛い境遇
「アゼン国の兄弟を、―の中に救わんと」〈竜渓経国美談

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「塗炭」の意味・読み・例文・類語

と‐たん【塗炭】

〘名〙 (泥と火の意)
① 泥にまみれ火に焼かれるような苦痛の境遇。土炭。
懐風藻(751)河島皇子伝「但未争友之益、而陥其塗炭者、余亦疑之」
神皇正統記(1339‐43)下「後白河の御時兵革おこりて姧臣世をみだる。天下の民ほとんど塗炭(トタン)におちにき」 〔書経‐仲虺之誥〕
② きわめてきたないもののたとえ。
太平記(14C後)一「時澆季に及て、道塗炭(ドタン)に落ぬと云とも君臣上下の礼違ふ則はさすが仏神の罰も有けりと」 〔孟子‐公孫丑・上〕

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普及版 字通 「塗炭」の読み・字形・画数・意味

【塗炭】とたん

泥と炭。困難の中にあることにたとえる。〔後漢書列女文姫伝〕昔、の賜書四千許卷、離(りうり)塗、存するる罔(な)し。今誦する、裁(わづ)かに四百餘のみと。~是(ここ)に於て、繕書(ぜんしよ)して之れをる。無し。

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