塢作碑(読み)うさくひ(英語表記)Ojak-pi

改訂新版 世界大百科事典 「塢作碑」の意味・わかりやすい解説

塢作碑 (うさくひ)
Ojak-pi

永川菁堤碑(536年)とともに,三国時代新羅の農業水利事業の実態を知るうえで貴重な金石文を記した石碑。1946年大韓民国慶尚北道大邱市大安洞で発見,現在同市の慶北大学校博物館で所蔵されている。高さ63.9~103.0cm,幅53.8~67.8cm,厚さ12.1cmで,全文9行,185字以上からなる。〈戊戌年四月朔十四日另冬里村(高?)□塢作記之此成在□〉の書出しで,〈文作人壱利兮一尺〉で終わる。戊戌年は新羅真智王3年(578)に比定されている。塢は灌漑池の堤防と解釈されるが,所在地の另冬里村や塢そのものの名称は明らかでない。塢の規模は,長さ〈五十歩〉,高さ〈五歩四尺〉で,築堤にあたって312人の功夫で13日を要したという。このほか都唯那という僧職名,宝蔵・慧蔵の僧名,阿尺干・一尺・一伐の官位,壱利兮・沙木乙などの人名,夫利村などの村名が記されている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android