塩山温泉(読み)えんざんおんせん

日本歴史地名大系 「塩山温泉」の解説

塩山温泉
えんざんおんせん

[現在地名]塩山市上於曾

しおノ山の南東麓に湧出し向嶽こうがく寺領内にあった湯。一四世紀末に同寺開山抜隊得勝の発見と伝え、以来多くの病人療治に役立ったという。享保九年(一七二四)の上於曾村明細帳(県立図書館蔵)往古より湯泉一ヵ所としてその由来は記していないが、向嶽寺門前の内に四間に三間の湯坪があって、「惣而男女共ひへたる身ニ相応ニ御座候」とし、ただ雨除けもなく冷湯のため毎年五月から八月の季節に限られて、遠近の入湯者は一年に一万人余と述べている。当時湯宿は門前の者が営んでいて、同一〇年の塩山向嶽寺略由緒(向嶽寺文書)によれば、門前四一軒のうち一六軒が湯宿を開いており、薬湯として権現宮を祀っていた。この頃湯治客も増加して湯端ゆばたの者が湯宿を営むようになったため、門前の者の生活に差支えを生じていたという(元文元年「湯宿割合方願書」広瀬高明家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「塩山温泉」の意味・わかりやすい解説

塩山温泉
えんざんおんせん

山梨県北東部,甲州市の中心市街地近郊に湧く温泉。 600年以上前に発見されたといわれ,古くから湯治温泉としてにぎわってきた。泉質硫黄泉泉温は 25~40℃。胃腸病や皮膚病によいといわれる。秋には周辺観光果樹園でブドウ狩りが楽しめる。

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