塩江温泉(読み)しおのえおんせん

日本歴史地名大系 「塩江温泉」の解説

塩江温泉
しおのえおんせん

[現在地名]塩江町安原上東 塩江

国道一九三号の香東こうとう川沿いにある。古い湯元は香東川上流の篝火かがりび山麓にあった。泉質は単純硫化水素泉の冷泉である。「安原古跡物語」の塩江略縁起によれば行基が発見し、さらに弘法大師によって開発されたと伝える。また「安原記」には承応(一六五二―五五)の頃、肥後国阿蘇あそ郡大井村の菊地四郎太夫が先祖の宿罪により病を患って四国巡拝に出、一宮田村たむら神社(現高松市)で夢の告げをうけ、聖の案内で潮之井(塩江温泉)で快癒したとある。文中に「讃岐国香川東郡安原村ニ霊水アリテ其水ニ塩気アレハ塩ノ井ト申ス、諸人病アル者此水ヲ湯トナシテ浴スレハ病治セスト云フ事ナシ」と記されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「塩江温泉」の意味・わかりやすい解説

塩江温泉
しおのえおんせん

香川県中部、高松(たかまつ)市にある温泉。香東(こうとう)川上流南岸にある。奈良時代に僧行基(ぎょうき)が発見したと伝えられる。周囲を山で囲まれた静かな温泉であるが、交通の便がよく、高松の奥座敷として利用者が多い。2002年(平成14)には国民保養温泉地に指定され、県外からも注目されるようになった。泉質は硫黄泉

新見 治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「塩江温泉」の意味・わかりやすい解説

塩江温泉
しおのえおんせん

香川県中部,高松市南部にある徳島県境近くの温泉。8世紀に行基によって発見され,江戸時代から湯治場としてにぎわいをみせた。現在は国民保養温泉地に指定され,閑静な環境で人気を集め,四季を通じて行楽客が訪れる。泉質は硫化水素泉。泉温は 18℃。神経痛皮膚病にきくといわれる。温泉街は周囲を山に囲まれた香東川沿いに広がる。周辺は桜や紅葉名所としても有名

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