塩花(読み)しおばな

精選版 日本国語大辞典 「塩花」の意味・読み・例文・類語

しお‐ばな しほ‥【塩花】

〘名〙
① (「潮花」とも) 白波満潮の時など、潮の飛び散る様子が花のようであるところからいう。
源平盛衰記(14C前)四二「塩干潟に附いて、〈略〉百騎も二百騎も、塩花(シホハナ)蹴立てて押し寄せば」
不浄なことやいやなことがあった時、はらいきよめたり、縁起直しをしたりするために、塩をまくこと。また、その塩。塩灰。
※雑俳・雪の績初篇(1767)「塩はなをうつ角力取の天窓数」
③ (②をまきたくなるような相手を) きらって断ること。こばむこと。拒絶。また、きらわれもの。
洒落本・無量談(1771)「太平楽巻物に云く、そこでのんし、五十じゃ塩(シホ)ばな百なら窮(きまり)、のんのかのんし」
④ (②から) 料理屋などの入口に、小さく山形に盛ってならべて置く塩。もり塩。
※歌舞伎・芽出柳緑翠松前(1883)二幕「ほんに塩花といへば、風神さまへ上げる塩でも盛って置きませうか」

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デジタル大辞泉 「塩花」の意味・読み・例文・類語

しお‐ばな〔しほ‐〕【塩花】

不浄を清めたり、縁起直しのために塩を振りまくこと。また、その塩。伊豆諸島などでは海水んで来て振りかける。
料理屋などの入り口に、山形に置く塩。盛り塩。
砕けて花のように飛び散る波。白波。
「百騎も二百騎も―蹴立てて押し寄せば」〈盛衰記・四二〉

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普及版 字通 「塩花」の読み・字形・画数・意味

【塩花】えんか(くわ)

花のように白く結晶した塩。〔宋史、地理志三、陝西解州、~鹽を貢す。

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