士林派(読み)しりんは(英語表記)sarimp'a

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「士林派」の意味・わかりやすい解説

士林派
しりんは
sarimp'a

朝鮮朝鮮王朝 (李朝) 時代,儒学を修めて官僚になった文人学者,あるいはその予備集団をいう。士林派はその理想である儒教政治を実現するために中央政界への進出をはかって,力のある首領のもとで党派を結び,書院根拠として,自党の拡大と他党排斥をはかった。このような士林派と対立したのが勲旧派で,15世紀末から 16世紀後半の士禍党争はその権力争いであった。

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世界大百科事典(旧版)内の士林派の言及

【山林儒生】より

…山林処士,隠士ともいう。広い意味では士林派をさす。高麗末・李朝初期に朱子学者の鄭夢周吉再,金叔茲らは,忠臣二君に仕えずとして高麗王朝への節義を守り,新王朝(李朝)に仕官しなかった。…

【士禍】より

…朝鮮,李朝中期に勲旧派(中央貴族層=既成官僚)が士林派(在地両班(ヤンバン)層=新進官僚)に対し,4回にわたって行った大弾圧。(1)1498年(燕山君4,戊午)の〈戊午士禍〉。…

【党争】より

…朝鮮,李朝における党派の争い。李朝中期に勲旧派(中央貴族層の既成官僚)が士林派(在地両班(ヤンバン)層の新進官僚)に対して行った士禍とよばれる弾圧の後,士林派が1565年に政権を掌握するが,士林派は1575年に東人(改革派)と西人(保守派)に分裂した(ただし,東人が優勢)。さらに91年には西人への対応策をめぐって東人が南人(穏健派)と北人(強硬派)に分かれた(ただし,南人が政権を担当)。…

※「士林派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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