デジタル大辞泉
「売出」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
うり‐だし【売出】
〘名〙
① 売り出すこと。売りはじめること。発売。
※
滑稽本・
浮世床(1813‐23)初「発販
(ウリダシ)は発市
(ウリダシ)の
気候あり」
※
浮世草子・西鶴織留(1694)二「利銀ひとつ書込
(こみ)、手形仕替て年をかさねしうちに、売
(ウリ)出しも残らぬ程に成て」
③ 商売の景気づけのために、
時日を限り、特別に商品の価格を下げたり景品をつけたりして売ること。
※落語・福之神(1897)〈三代目柳家小さん〉「
越後屋の売出しに〈略〉
買物を大層買ったのだよ」
④ 有名になりつつあること。人気が高くなっていくこと。また、その人。
※大芝居惣役者すりばちづくし見立(1823)「
沢村国太郎〈略〉とうじうりだしぢゃ」
⑤ すでに発行されている
株式や
公社債を、一般大衆に均一の条件で売り始めること。
※
商法(1899)第四九〇条「株式又は
社債の売出を為す者」
うり‐だ・す【売出】
[1] 〘他サ五(四)〙
※浮世草子・
日本永代蔵(1688)二「思ひ入の
(もめん)を調へ〈略〉売出
(ウリダ)しけるに」
② 宣伝したり、品物の価格を下げたり、景品をつけたりして、大いに売る。
※東京年中行事(1911)〈
若月紫蘭〉三月暦「古来吉野の桜が
天下一品と称せられて居た処から、此名を利用して売出
(ウリダ)さうと云ふので」
[2] 〘自サ五(四)〙 それまで名の知られていなかった者が、
世間に名をひろめる。有名になる。
※真景累ケ淵(1869頃)〈
三遊亭円朝〉五六「それで私
(わし)は先生のお蔭で又売出します」
うり‐いだ・す【売出】
※浮世草子・日本永代蔵(1688)一「小判市も此男買出せば俄にあがり、売出(ウリイダ)せば忽ちさがり口になれり」
うれ‐だ・す【売出】
〘自サ五(四)〙
① 売れ始める。次第に販路が広くなる。
② だんだん評判が高くなる。世間に名声が広まってゆく。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報