売出(読み)ウリダシ

デジタル大辞泉 「売出」の意味・読み・例文・類語

うり‐だし【売(り)出(し)】

売りはじめること。
新しい商品などを市場に出すこと。「新製品売り出し
一定期間に限って、商品を特別に安く、または景品をつけて売ること。「歳末売り出し
知名度が高まっていくこと。また、その人。「最近売り出し中の歌手
売って得た金。
「年を重ねしうちに、―も残らぬ程になって」〈浮・織留・二〉
[類語]安売り特売廉売投げ売り捨て売り叩き売り乱売ダンピング蔵浚え見切り売りセールバーゲンセール

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「売出」の意味・読み・例文・類語

うり‐だし【売出】

〘名〙
① 売り出すこと。売りはじめること。発売。
滑稽本浮世床(1813‐23)初「発販(ウリダシ)は発市(ウリダシ)気候あり」
② 売り出して得た金銭。売りはらい代金。
浮世草子・西鶴織留(1694)二「利銀ひとつ書込(こみ)、手形仕替て年をかさねしうちに、売(ウリ)出しも残らぬ程に成て」
③ 商売の景気づけのために、時日を限り、特別に商品の価格を下げたり景品をつけたりして売ること。
※落語・福之神(1897)〈三代目柳家小さん〉「越後屋の売出しに〈略〉買物を大層買ったのだよ」
④ 有名になりつつあること。人気が高くなっていくこと。また、その人。
※大芝居惣役者すりばちづくし見立(1823)「沢村国太郎〈略〉とうじうりだしぢゃ」
⑤ すでに発行されている株式公社債を、一般大衆に均一の条件で売り始めること。
商法(1899)第四九〇条「株式又は社債の売出を為す者」

うり‐だ・す【売出】

[1] 〘他サ五(四)〙
品物を売り始める。発売する。
※浮世草子・日本永代蔵(1688)二「思ひ入の(もめん)を調へ〈略〉売出(ウリダ)しけるに」
② 宣伝したり、品物の価格を下げたり、景品をつけたりして、大いに売る。
※東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉三月暦「古来吉野の桜が天下一品と称せられて居た処から、此名を利用して売出(ウリダ)さうと云ふので」
[2] 〘自サ五(四)〙 それまで名の知られていなかった者が、世間に名をひろめる。有名になる。
※真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉五六「それで私(わし)は先生のお蔭で又売出します」

うり‐いだ・す【売出】

〘他サ四〙 =うりだす(売出)(一)
※浮世草子・日本永代蔵(1688)一「小判市も此男買出せば俄にあがり、売出(ウリイダ)せば忽ちさがり口になれり」

うれ‐だ・す【売出】

〘自サ五(四)〙
① 売れ始める。次第に販路が広くなる。
② だんだん評判が高くなる。世間に名声が広まってゆく。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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