外蕃通書(読み)がいばんつうしょ

改訂新版 世界大百科事典 「外蕃通書」の意味・わかりやすい解説

外蕃通書 (がいばんつうしょ)

江戸初期から中期まで(1599-1764)の幕府と諸外国の往復文書を各国別・編年順に収録し,編者の綿密な考証を付した外交文書集。朝鮮オランダをはじめ当時関係のあった諸国を網羅している。27巻,目録1巻。編者は幕臣近藤守重(重蔵)で,書物奉行(1808-19)のとき,紅葉山文庫所蔵の外交文書を中心に編纂して,幕府に献上した。初期幕府外交の重要史料。《近藤正斎全集》ほか所収
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「外蕃通書」の意味・わかりやすい解説

外蕃通書
がいばんつうしょ

江戸幕府が諸外国と交わした書簡を国別・時代順に編纂(へんさん)した書物。編者は近藤守重(もりしげ)(正斎(せいさい)、重蔵(じゅうぞう))。彼が幕府の書物奉行(ぶぎょう)在任中(1808~18)に成った。全27巻で、第1~5巻朝鮮、第6、7巻阿蘭陀(オランダ)、第8~10巻明(みん)国、第11~14巻安南(アンナン)、第15~17巻暹羅(シャム)、第18、19巻柬埔寨(カンボジア)、第20巻占城(チャンパ)、太泥(タニ)(パタニ)、第21~23巻呂宋(ルソン)、第24、25巻阿媽港(アマカウ)(マカオ)、第26巻新伊西把儞亜(イスパニア)(メキシコ)、第27巻漢乂利亜(アンゲリア)(イギリス)にあてる。『近藤正斎全集』『改訂史籍集覧』に収められている。

[加藤榮一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「外蕃通書」の意味・わかりやすい解説

外蕃通書
がいばんつうしょ

諸外国 (東南アジア,オランダ,メキシコ,イギリスなど) との往復書簡や渡航朱印状を,国別,年代順に編纂したもの。近藤守重 (→近藤重蔵 ) 編。 27巻。目録1巻。文政1 (1818) 年成立。江戸時代初期から宝暦年間 (1751~64) 頃までを収録。『史籍集覧』『近藤正斎全集』に所収。

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