夙の者(読み)しゅくのもの

精選版 日本国語大辞典 「夙の者」の意味・読み・例文・類語

しゅく【夙】 の 者(もの)

浮世草子世間胸算用(1692)四「都の外の宿(シュク)の者(モノ)といふ男ども、〈略〉例にまかせて祝ひはじめ、富々(とみとみ)、富々(とみとみ)といひて町中をかけ廻れば、家ごとに餠に銭そへてとらせける」

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デジタル大辞泉 「夙の者」の意味・読み・例文・類語

しゅく‐の‐もの【×夙の者】

しゅく」に同じ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「夙の者」の意味・わかりやすい解説

夙の者
しゅくのもの

「宿」とも書く場合がある。近世の賤民身分の一つ五畿内 (→五畿七道 ) を中心紀伊伊賀近江若狭丹波播磨国などに広がっている。農業を主とし,経済的には農民とあまり差はなかったが,農工商とは通婚できず,「夙筋之者」として差別待遇を受けた。 (→ )

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世界大百科事典(旧版)内の夙の者の言及

【宿】より

…この〈非人宿〉の場合には,その統轄の任には大寺社などから権限をゆだねられた僧体の〈長吏(ちようり)〉〈長吏法師〉が当たった。近世において,被差別部落の一部の名称として〈宿〉〈夙(しゆく)〉の語がひろまり,その地域の住民を〈宿の者〉〈夙の者〉と呼びならわしたのは,当該地域が前代の〈非人宿〉の系譜をひくものと認識されたためと推察される。また近世においては同じく被差別部落をさすのに〈宿〉よりも〈夙〉のほうが多用されたようであるが,これには文字表現の上で一般的な〈宿〉(宿場町)と〈非人宿〉(特別に賤視される人々の集落)とを明確に区別する意識が働いていたのかもしれない。…

※「夙の者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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