多代女(読み)たよじょ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「多代女」の意味・わかりやすい解説

多代女
たよじょ
(1776―1865)

江戸後期の俳人。市原氏。初め賞月堂、のちに晴霞庵(せいかあん)と号した。奥州須賀川(すかがわ)(福島県須賀川市)の造酒家(つくりざかや)の娘で、婿を迎えたが、1806年(文化3)夫に死別、三児を養育しつつ俳諧(はいかい)に志す。江戸の道彦に入門、その没後は乙二(おつじ)に師事。48歳の23年(文政6)江戸に遊び、一具(いちぐ)の庵(いおり)に止宿して諸士と風交した。天保(てんぽう)期(1830~44)の俳諧番付に前頭(まえがしら)筆頭とする。編著に『浅香市(あさかいち)集』(1814)、『晴霞句集』(1853)など。慶応(けいおう)元年8月4日没。

[松尾勝郎]

 有明の野ずゑに白し春の水

『矢部榾郎編『たよ女全集』全一巻(1959・小宮山書店)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「多代女」の解説

多代女 たよじょ

市原多代(いちはら-たよ)

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