多義語(読み)タギゴ

デジタル大辞泉 「多義語」の意味・読み・例文・類語

たぎ‐ご【多義語】

多く意味をもっている語。

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精選版 日本国語大辞典 「多義語」の意味・読み・例文・類語

たぎ‐ご【多義語】

〘名〙 一語で多くの意味を持っている語。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「多義語」の意味・わかりやすい解説

多義語
たぎご

意味的に関連の認められる異なった二つ以上の意味をもつ語。一般の辞書には、二つ以上の意味を列挙した項目が多いが、これがそのまま多義を示しているとは限らない。ある一つの意味が前後関係から表面的に異なった意味として表れ、それがそのまま異なった意味と見誤られることがあるからである。

 最初は単一の意味あるいは多義であったものが、歴史的に意味変化が次々におこった結果、ついに意味的つながりが認められなくなることがある。このときは多義語が同音異義語に分化したことになる。「かたぎ」が現在の「形木」と「気質(かたぎ)」に分かれ、「さかな」が「魚」と「肴(さかな)」に分かれたのがその例である。一方、「暑い」と「熱い」は同音異義語であるか多義語であるか、微妙な問題である。言語学においては、多義語と同音異義語の区別仕方について、いままで多くの考察がなされてきたが、結論は出ていない。一方、両者は連続していて、区別をつけること自体が不自然であるとする考え方もある。一般の辞書では、語源的に同じものは意味の違いに関係なく多義扱いにしたり、日本語の和語の場合、異なった漢字をあてるものを同音異義扱いにすることがあるが(たとえば「冷める・覚める・醒(さ)める」)、理論的にいえば便宜的なものである。

 多義的意味の間の意味関係には、いろいろなものがある。基本義と比喩(ひゆ)的転義、特殊な領域で用いられる特殊義(たとえば「石」が宝石関係で「宝石」をさし、医療関係で「結石」をさす場合)などがある。一般に基本的で使用頻度の高い語ほど多義を生じやすい。

[国広哲弥]

『国広哲弥著『意味論の方法』(1982・大修館書店)』

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百科事典マイペディア 「多義語」の意味・わかりやすい解説

多義語【たぎご】

語彙の意味分析に用いられる用語。一般に複数の意味をもつ語を指すが,〈くるま〉が〈車輪〉と〈自動車〉という意味をもつ場合のように,それらが元の意味から派生してきたことが明らかな場合や相互に近似している場合に限って用いられる。このような条件を満たさない場合,それらの意味を担う語は単に同音異義語とみなすことが多い。

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