夜の鶴(読み)ヨルノツル

デジタル大辞泉 「夜の鶴」の意味・読み・例文・類語

よる‐の‐つる【夜の鶴】

夜鳴くツル。
白居易「五弦弾」から》子を思う親の愛情の深さにたとえていう語。焼け野の雉子きぎす夜鶴やかく子を思う。→夜鶴やかく
「―の子を思っての中に鳴く」〈謡・経政

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精選版 日本国語大辞典 「夜の鶴」の意味・読み・例文・類語

よる【夜】 の 鶴(つる)

① 夜半に鳴く鶴。
※和漢朗詠(1018頃)下「夜の鶴眠り驚いて松月苦(さやか)なり 暁の鼯飛び落ちて峡煙寒し〈都良香〉」 〔孔稚珪‐北山移文〕
② (「白居易‐新楽府・五弦弾」の「第三第四弦冷冷、夜鶴子籠中鳴」による。夜、巣籠りして鳴く鶴の声は子を思って鳴くというところから) 子を思う親の愛情をたとえていう語。焼け野の雉。夜鶴(やかく)
※栄花(1028‐92頃)浦々の別「夜のつる都のうちにこめられて子を恋つつも鳴あかす哉」

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「夜の鶴」の解説

夜の鶴
(通称)
よるのつる

歌舞伎浄瑠璃外題
元の外題
夜の鶴雪氅
初演
寛政10.11(江戸中村座)

夜の鶴
よるのつる

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
作者
福地桜痴
初演
明治37.7(東京歌舞伎座)

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