夜半楽(読み)ヤハンラク

デジタル大辞泉 「夜半楽」の意味・読み・例文・類語

やはんらく【夜半楽】

雅楽唐楽平調ひょうじょう新楽中曲。舞はない。唐の玄宗の作という。
俳諧撰集。与謝蕪村編著。安永6年(1777)刊。1冊。連作叙事詩「春風馬堤曲」や、「澱河歌でんがか」「老鶯児ろうおうじ」を納める。

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精選版 日本国語大辞典 「夜半楽」の意味・読み・例文・類語

やはんらく【夜半楽】

[1]
[一] 雅楽の曲名。唐楽、平調(ひょうじょう)の曲。舞はない。〔龍鳴抄(1133)〕
[二] 荻江節の一つ。同名の地歌の曲(泉明作詞、戸川検校作曲)をほとんどそのまま取り入れた曲。
[三] 江戸後期の俳諧撰集。一冊。与謝蕪村(よさぶそん)編著。安永六年(一七七七)刊。歌仙一巻、「春興雑題」四三句、「春風馬堤曲」一八章、「澱河歌」三章、「老鶯児」一句を集録。馬堤曲、澱河歌は蕪村自身の作品で発句漢詩・長句が一体となって調和した特殊な形式をもつ。
[2] 〘名〙 (「夜半」と掛けて用いて) 夜中。夜半。
※光悦本謡曲・天鼓(1465頃)「夜もふけて夜半楽にもはやなりぬ」

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改訂新版 世界大百科事典 「夜半楽」の意味・わかりやすい解説

夜半楽 (やはんらく)

雅楽の管絃の曲名。平調(ひようぢよう)。唐の玄宗が兵を挙げ,夜半に韋皇后を討った時,この曲が作られたと伝わる。日本では承和年間(834-848)に,御遊の時,夜になってこの曲を演奏し,退出音声(たいしゆつおんじよう)(参会者が退場する時の音楽)として奏したという記録があるが,その伝来については不明。早八拍子,拍子16の中曲。
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