大いなる眠り(読み)おおいなるねむり(英語表記)The Big Sleep

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大いなる眠り」の意味・わかりやすい解説

大いなる眠り
おおいなるねむり
The Big Sleep

アメリカのハードボイルド推理チャンピオンといわれるR・チャンドラーの小説。1939年作。作者の出世処女作品。娘が脅迫にあっている、始末をつけてほしいと、私立探偵マーローは、名士スタンウッド将軍から依頼を受ける。彼は脅迫者の家を突き止めてそこに行くと、待ち構えていたものは殺人だった。捜査を進めていくうちに、マーローはその裏に上流階級の複雑で、悲劇的な人間関係があるのを知った。推理小説的構成よりも洗練された都会感覚の文体と、しゃれた会話なかで、人間模様を浮き上がらせている。

[梶 龍雄]

『双葉十三郎訳『大いなる眠り』(創元推理文庫)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「大いなる眠り」の解説

大いなる眠り

米国の作家レイモンド・チャンドラーの処女長編ミステリー(1939)。原題《The Big Sleep》。探偵フィリップ・マーロウカリフォルニアの富豪一家に雇われ、腐敗した上流階級の事件に巻き込まれる。1946年にハワード・ホークス監督、ハンフリー・ボガート主演で映画化(邦題三つ数えろ』)。
②①を原作とした1978年製作のイギリス映画。原題《The Big Sleep》。劇場未公開。監督:マイケル・ウィナー、出演:ロバート・ミッチャム、ジェームズ・スチュアート、サラ・マイルズほか。

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